映画著作権監視ネットワーク

映画の著作物を守り、違反を有志で監視しています。

静止画ダウンロード違法化で違法サイトは得をする!?

「ダウンロード違法化」を音楽や映像に限らず、著作物一般に拡大する、いわゆる「静止画ダウンロード違法化」について審議している文化審議会著作権分科会小委員会。静止画、つまり画像まで違法化の範囲を広げるその方針は、インターネットの日常にとんでもない影響を与えるものです。

もちろん、違法サイトを撲滅したいという狙いがあるのはわかりますが、有識者の中には逆に違法サイトの取り締まりを妨げると心配する声もあります。

どういうことでしょうか。

一般的に、違法にネット上にアップロードされたコンテンツを見つけた場合、その証拠をとるのが普通です。画像の場合なら、その画像が無断でアップされたウェブページのスクリーンショットをとるなどして、記録保存するでしょう。

しかし、静止画ダウンロード違法化の場合はこれができなくなってしまいます。第三者著作権の帰属する写真や文章が違法に含まれるようなネット上の犯罪行為を、将来の法的措置に備えて保存することが不用意に行えないという問題。政府側の意見では「違法にアップロードされた著作物を外してダウンロードすることによる対応が可能な事例もある」としていますが、それでは意味がありません。

これはつまり、あなたの描いたイラストが誰かのサイトに勝手に使われていても、その記録を残そうとスクリーンショットをとれば、あなた自身が犯罪者になってしまい、違法サイト側にしてみれば有利になってしまいます。これでは本末転倒です。

今回の静止画ダウンロード違法化案。クリエイターの人ほど、関心を強く持って意見を訴えていかないと、著作物を守ろうとした自分が犯罪者になってしまうかもしれません。